明確に被写体を撮りたい時、絞り低めに設定してを撮影すると、ピントがあっていない背景や全景がボケて、「いい感じの写真」が撮れますね。
それでは、絞りは低ければ低いほど、「いい感じの写真」が撮れるんじゃないか、と思いがちなのですが、そんなこともありません。
こちらの写真をご覧ください。

昔撮った写真にちょうどいい参考例がありました。
4人のナイスガイたちを綺麗に撮るつもりだったのですが、左から2番目のディエゴに焦点が合っており、周りの3人が微妙にボケてしまっています。これは、F値を開けすぎたせいです。
ここではF値を開けたり絞ることで、露出を活用することでイメージ通りの風景を撮るコツを学んでいきましょう。
F値は低ければ良いというものではない!
風景撮影をする時は、背景や全景をぼかして主役を目立たせるか、狙いを明確にして写すといいでしょう。そのために、絞りの設定を自分で行える絞り優先のモードを使って撮影するのが、風景撮影の基本です。
前景をぼかして被写体を強調する
思い描いた風景撮影では、絞りやシャッター速度、露出補正などの設定を自分で決めて、イメージ通りの作品に仕上げることが重要です。絞りの選択で被写界深度が変わり、シャッタ速度をコントロールすることで川や滝などの流れの描写を変えることができます。また、露出補正は写真全体の明るさを調整して、撮影意図を反映させる時に使います。
絞り込んで全体をシャープに
F値を絞り込むと全体がシャープに移ります。風景の手前から奥までボケないように、全体をシャープに移すには、絞りをF11-F22程度にすると良いでしょう。22以上にすると、回折現象が発生する場合があります。この写真ではピントは全体の奥行きの、手前から1/3くらいの位置に合わせます。
露出を補正する
デジカメにはカメラ内部に露出系が備わっており、この露出系により自動的に写真の明るさを調整してくれます。しかし、常に正しいとは限らず、場合によって自身で露出補正をすることにより目で見た明るさにすることができます。
露出補正の仕方
露出補正はプログラム、絞り優先モード、シャッタースピード優先モードで使用できます。背面の露出補正ボタンを押しダイアルを回すことで液晶モニターとファインダー内の露出レベルの表示が動きます。
白とびが起こらないようにマイナス補正をする
露出を調整することで、設定を変えずに見た目の明るさに合わせることができます。明るい外の景色を撮影する際は雲など白い被写体は白とびしやすいですが、露出をマイナスすることで全体的な色合いが落ち着き、雲の白とびが抑えられます。
明るくすると浮き上がって見えてくる
逆光で輝く水面を撮影。カメラ任せの露出では見た目よりもだいぶ暗く写ってしまいます。水面の輝きを見た目に近い明るさで写すために、プラスに露出補正して撮影してみます。写真全体が明るくなり、水面の様子や枝の形が見えるようになりました。
白とび、黒つぶれを防ぐ
露出を極度に変えると一部が潰れてしまうので注意が必要です。
露出をマイナスにするほど暗く写りますが、暗くしすぎると暗部に黒つぶれが生じる場合があり、逆に露出をプラスに設定し、明るくしすぎると白とびが生じやすくなります。あくまで調整として使うのが良いでしょう。
まとめ
ここでは絞りと露出を使うことで被写体シャープさ、明暗を調整できることがわかりました。写真の設定は組み合わせによって作品が大きく変わるので、ぜひここで使い方をマスターしましょう!