日本語の母音の数は英語よりも少ないため、日本人は英語の発音の違いを認識しにくいのですが、その問題を解決するために、フォニックスを学ぶと良いということを話しました。


ここでは、オーストラリアに2年住んだ私が、【カタカナ発音が抜けるまでにしたことの基本】をまとめてみました。日本人だと思われなくなるレベルになるまで一朝一夕ではなく、相当にお金と時間をかけましたが、基本的なコンセプトは変えずにこの方法を繰り返し行ったので、私なりの答えだと思っています。
個人的な考えですが、英語の発音に関しては、英語学習者がまず取り組むことだと考えます。中途半端に話せるようになってくると、通じてしまうが故に発音を疎かにして、聞くに堪えないカタカナ英語を自信満々に発する人は少なくありません。
話せること自体素晴らしいし否定をしませんが、それで良いのでしょうか。
「日本人だと思わなかった」。英語を勉強していてこんなに嬉しいことはありません。あなたがもしそうなりたかったら、これから教える方法を試してみてください。
ちなみにこの方法は基本中の基本の勉強法です。今現在自分の方法を確立されている方、ご自身の発音に自信がある方はもしかしたらお役に立てないかもしれないので、応用編もいつか書きたいと思います。
発音の勉強法の基本コンセプト
私が提案する方法は基本的に3つのステップです。
Step1 フォニックスを理解し、50種類の音を覚える。
Step2 単語レベルで発音のしかたを覚える。
Step3 ブレンディングを覚えて一つのかたまりで発音を身につける。
の3ステップです。
実践の際は、必ず声に出して練習してください。発音はフィジカルな練習です。お勉強というより、筋トレに近いと思います。
「なるほど、こうやって発音するのか」と納得するだけでは上達しません。
体を使って何度も練習しましょう。
どのレベルの発音を目指すべきか
英語の相談を受けるときに思うことがあるのですが、勉強する前に目標を設定すると良いです。
「日本語のアクセントを取り除く」
「ビジネスに支障のないレベルの発音」
「ネイティブと同等レベルの流暢な発音」
など、発音と一言で言っても色々なレベルがあり、目指すところによってするべき勉強の量や質も違います。
発音は奥が深く、とことん突き詰め始めるとキリがありません。日本語に方言や訛りがあって、しかしそれがすべて日本語と言えるように、英語の発音にも突き詰めると一つの「正解」というものはありません。
そのため、発音を練習をするにあたり、「どのレベルの発音を目指せばいいのか」ゴールを設定することが大事です。
もしあなたが目指すゴールが今の時点ではっきりしていなければ、最初に目指す具体的なゴールは、まず「カタカナ発音から脱却すること」です。
カタカナ発音はネイティブに通じません。なぜなら、カタカナ英語には子音の後ろに本来あるはずのない母音が勝手に混ざるからです。詳しく見ていきましょう。
Step1 フォニックスを理解し、50種類の音を覚える。
フォニックスとは聞いたことがありますか?
フォニックスとは英語学習者が理解できるようにアルファベットがどのように発音するかを決めた共通のルールであり、その読み方をフォニックスと呼びます。
詳しくはフォニックスについて書いた記事があるので、そちらをご確認ください。

フォニックスの概要がわかったとして、例えばMcDonald’sを、どう発音しますか?
カタカナ英語で発音するとマクドナルドですが、ネイティブにはゼッッッッッタイに通用しません。なぜなら、McDonald’sの音を一つ一つ分解すると、日本語と似ている音が少ないからです。特に、日本語には子音だけの音で成り立つ音は存在しないので、それぞれの子音の後ろに母音を足して完全に日本語のオリジナルの単語に変わってしまいました。
McDonald’sの本来の発音は
mə - k - dɑ’ - nə - l - d - z
厳密に言うとdɑの音しか日本語と同じ音はありません。
そしてこの中で子音のみの音がM, c, l, d, z。
これら子音の後に本来ないはずの母音を勝手につけることで、ネイティブには全然違う単語に聞こえているのです。
ma - ku - do - na - lu - do
mə - k - dɑ’ - nə - l - d - z
このように、日本人は無意識に「あるはずのない母音」を勝手につける癖があります。この癖が、ネイティブたちを混乱させ、私たちの英語を通じなくさせています。
ですから、この一つ一つのアルファベットがどうやって発音するのかを覚えることから始めましょう。母音、子音、シュワなど合わせて50種類程度あります。すべての発音の仕方をここで教えてるとキリがないので、DMM英会話を使って効率よく学習する方法をまとめているので興味がある方はそちらをご覧ください。
Step2 単語レベルで発音のしかたを覚える。
カタカナ英語が英語の発音の習得の邪魔をしている例は他にもたくさんあります。
play(×:プレイ pulei / ○ :plei)
good(×:グッド guddo / ○ :gud)
pick up(×:ピックアップ pikku appu / ○ :pikup)
などなど、挙げたらキリがありません。
Step1でお伝えしたフォニックスについて、アルファベット一つ一つの発音の仕方がわかったら、今度は単語ごとに発音し、カタカナ発音特有の「母音と子音が混ざる癖」をしっかり矯正しましょう。
・子音を子音としてはっきり発音する
・勝手に余分な母音をつけない
これだけで、見違えるほど通じやすくなります。
また、単語ごとに発音の仕方を覚える必要があるもう一つの理由があります。それは単語によってアルファベットが違うのに同じ音、逆にアルファベットが同じなのに発音が違う場合があるからです。
例えば、
funの「u」
loveの「o」
はアルファベットが違うのですが、発音記号が同じ「ʌ」です。
このようなことが単語の数だけ無限に出てくるのですが、全ての発音記号について発音のしかたがわかり、単語ごとに正しい発音の練習をすると、初めて見た単語でも、次第に発音のしかたについて大体の見当がついてくるようになります。
Step3 ブレンディングを覚えて一つのかたまりで発音を身につける。
フォニックスの概要が理解し、身についたら応用の段階です。
単語ごとに正しい読み方があり、日本語に比べて英語ははるかに多い音を扱うということはわかったと思いますが、実は、英語は単語同士がくっつくと音が変わります。厳密に言うと、音が変わったり、減ったり、くっついたりするのです。これをブレンディングと言います。
例えば、
a lot of は、発音記号に直すと a lɑ’t əv ですが、文章の中で発すると音が省略され əlɑtʌv に変化します。
ちょうど日本語で、「いいのではないかな」が会話の中で「いんじゃないかな」に変化するような感覚で、会話をスムーズにするために音が変わることだと認識すると良いと思います。
発音記号がわからないと意味がわからないかもしれないので、私の言っていることがもしわからなければフォニックスについて勉強するところから始めましょう。
このブレンディグにもいくつかルールがあり、音の連結、同化、脱落などがあります。
アメリカンアクセントトレーニングで学ぶ
駆け足で、かなり表面的な部分だけ紹介いたしましたが、もっと細かいことはAmerican Accent Trainingという書籍に書いてあります。
私は色々な発音の本を読みましたが、この本が圧倒的によく書いてあったので、もっと深く知りたいということであればこちらをご参考ください。
「アメリカン」ということでアクセントがかなり、かなりアメリカンですが、基本的な発音の仕方はアメリカンでもブリティッシュでもさほど違いはない(と思っている)ので、特に勉強し始めた方にはオススメです。
オンライン英会話を使って発音を矯正する
発音の勉強は一人で行うのは難しく、特に始めたばかりの人にとっては「何が正しくて何が間違っているか」を自分で判断するのは不可能に等しいです。そこで私は、費用も安く、好きな時間に学べるオンライン英会話をオススメします。
私はフィリピン留学で30万円近くのお金と2ヶ月を費やして英語を基礎から身につけましたが、オンラインスクールの講師は実は優秀なフィリピン人講師が多く、値段も留学に比べると1レッスン150円~好きな時間、好きな場所で選べ、忙しい社会人や、お金が捻出しにくい学生にはオススメできる方法だと思いました。
いくつかオンラインスクールを試した中では、今回紹介したDMM英会話が良いと感じています。講師の質は高いです。たまたま私の担当講師が、私が以前通っていたフィリピンの語学学校で先生をしていた人で、「このレベルの講師と、留学に行くより安く受けられるんかい!」とショックを受けた記憶があります笑。
今なら無料体験ができるので、まずは体験レッスンを受けてみてはいかがでしょうか。行動あるのみです!

Step1 フォニックスを理解し、50種類の音を覚える。
Step2 単語レベルで発音のしかたを覚える。
Step3 ブレンディングを覚えて一つのかたまりで発音をよくする。
もう一度言います。「日本人だと思わなかった」。英語を勉強していてこんなに嬉しいことはありません。繰り返し練習すると、カタカナ英語は抜けてくるのでぜひ試してみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。